いよいよ明日からTwitter 上で、残念グラフNo.1を決める「#このグラフがひどい2019」 のノミネート受付が開始となります。
今年も開催!残念グラフNo.1を決める「#このグラフがひどい2019」。
皆さんのまわりで、演出満載で誤読を招くグラフや、何を言いたいのか意味不明なグラフは見かけませんでしたか?
今年の残念グラフをお寄せください!
投稿スタートは11日朝から。詳しくは↓https://t.co/OnIWfQ455m— nots™ (@call_me_nots) December 6, 2019
それを記念しまして、本日はミルフィーユ評論家の空き缶(@akikankeri)さんにお越しいただき、その味わい深いミルフィーユの世界を少し紹介していただきます。
え?
なぜ、この文脈でミルフィーユ?
…と思われた方。
ここで申しますミルフィーユとは、つまりこれのことです。
本日のミルフィーユ(トビラシステムズ)です。ご査収ください。なお、グッドスピードについてはミルフィーユはございません。 pic.twitter.com/812yWjLwJ9
— 空き缶 (@akikankeri) April 24, 2019
成長可能性説明資料、ミルフィーユ集。
⚡️ “本日のミルフィーユ”https://t.co/K9ZFavumn7— 空き缶 (@akikankeri) April 10, 2018
企業がパワーポイントで将来の成長可能性をアピールする際によく用いられるグラフ形式です。
こうした「ミルフィーユ」型グラフには、ときどき企業が将来への希望を盛りに盛りたい一心が、目一杯の甘さで表現されることがあります。
たとえば、こんな感じ。
本日のミルフィーユです。ご査収ください。 pic.twitter.com/5P66cfgOJa
— 空き缶 (@akikankeri) October 20, 2016
こちらは「[PDF]ユーザベース:成長可能性に関する説明資料」より。
空き缶さんによると、一般的なミルフィーユは3〜4層であるにもかかわらず、上の作品では珍しく、7層とふんだんに使用された例とのこと。
それでは、他にも珍しくも楽しいミルフィーユの世界を見ていきましょう。
次のミルフィーユは「[PDF]イオレ:2019年3月期 第2四半期決算説明資料」から。
なかなかの斜面を形成してくれるpinpoint 層と比べて、他の層はもはや、平らな地層か、斜面に降り積もる雪。
まるでゲレンデのような斬新な型のグラフに、ミルフィーユがとけるほど恋したい!
ミルフィーユ界では異端の「単層」型。
あまり具体的な数値イメージはないときにも、
なんとなく上昇感を出したいときに採用される
「とりあえず右上がりのオブジェクトを配置する」メソッドです。
(そういえば、昨年の「このグラフがひどい!2018」でも、
グラフ自体に意味が無い謎グラフが登場していましたね…!
上場企業がIR資料に入れちゃった「#このグラフがひどい2018 」)
しかも、今作では資料全体をナイトモード的色調で統一するというセンスが、
かえってこの単層ミルフィーユを物悲しくも演出してくれています。
「もうミルフィーユとは呼べないでしょ」という声も聞こえてきそうですが、
配置の目的は明らかにミルフィーユ的なのです。
カオナビのミルフィーユはございません。ご容赦ください。代わりの坂です。 pic.twitter.com/8pKWAlAUsT
— 空き缶 (@akikankeri) March 14, 2019
本日のミルフィーユというか鏡餅です。ご査収ください。 pic.twitter.com/ayoOcaQ6p6
— 空き缶 (@akikankeri) March 24, 2019
「[PDF]gooddaysホールディングス:成長可能性に関する説明資料」
新規上場といえばミルフィーユ、みたいな時代が続く中、
中には独創的なデザインで新風を起こす会社もあります。
中でも「鏡餅」型は資料にポップ感と、
事業ビジュアルにちょっとした重厚感を与えそうな感じからか、
採用企業も増えています。
しかし、そんな鏡餅も、
エクスポネンシャル(指数関数的に)成長させたくなると、
次のようになります。
…。
なんかすごい世界観です。
色合いもちょっとマッドです。
しかも、本作品は1面1面が市場規模を表していそうですから、
下層に行くほど成熟していく構成で、勾配降下法チックな下向きの成長曲線が描かれている点も、
ミルフィーユ界のセオリーの破壊者ともいえる3D鏡餅です。
こちらは「[PDF]gumi:2017年4月期 第3四半期決算説明会資料」から。
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あれ。
このタイミングでものすごくオーソドックスなミルフィーユが来ちゃいました?
でも、このミルフィーユ。
よーく見ると、「…?」となるんです。
投資をやっていらっしゃる方などは、
ぜひちょっとだけ立ち止まって考えてみてください。
なぜ、この一見フツーなミルフィーユをあえてここで取り上げるのか。
答えは、
縦軸が「売上高」なのに、急に床下から「営業利益」が襲ってくる
でした!
いいや!
「全然そのくらいあり得るでしょう!」
そういう声、分かります!
これをおかしいと思う心の方が歪んでいるのではないかと。
私も最初そう思って考えてみました。
ですが、考えれば考えるほど揺らいでいく、自分の第1感。
繰り返しますが、
これは縦軸が「売上高」なんです。
売上高ミルフィーユの構成要素が「営業利益」なんです。
母さんが握ってくれた🍙おにぎりをブッつぶして海苔弁を作る的な世界観がここには表現されています!
と、いうわけで!
今年は「ミルフィーユ」ウォッチャー空き缶さんによる、
味わい深いミルフィーユの世界を、「このグラフがひどい!2019」のエキシビジョンとさせていただきました。
これを読んだあなたも、明日11日から開催される、残念グラフNo.1を決める「このグラフがひどい!2019」に参加してみませんか!
テレビメディアや雑誌、上場企業のIR資料などに出没する「ひどいグラフ」を今年見かけませんでしたか?
参加はハッシュタグをつけてツイートするだけ!
みんなで今年の雑グラフは、今年のうちに供養していきましょう。